アークカップ速報(11月2日号)

第1試合      第2試合

アークカップ速報 11月2日(日)号

準決勝
(第2試合)
蠍 vs 佐川急便千代田

▼再三のピンチを持ち前の投球術で切り抜けるも、6回に一発を喫し、わずか一球に泣いた蠍・四ノ宮投手
▲ピンチをしのぎ引き上げるナインを出迎える蠍ベンチ(左上) 快進撃を続けた蠍、ついに力尽きる(左中) 試合終了後のこの光景が激戦を物語る(左下)

準決勝
(第2試合)
11月2日(日) 1 2 3 4 5 6 7
(文京区) 0 0 0 0 0 0 0 0
佐川急便千代田 品川区 0 0 0 0 0 1 × 1

佐川急便千代田 ○市川-片岡
●四ノ宮-藤原

安打 四死球 犠打 三振 盗塁 失策
4 2 0 6 0 2
佐川急便千代田 6 1 1 4 3 1

○佐川急便千代田・門井監督代行
「今日はいいところで4番の片岡が打ってくれました。市川も粘り強く投げてくれました。この試合が今大会で一番チームがまとまっていました。それだけ西武ドームに行きたいという思いが強かったんだと思います。ドームでも普段通り野球をしたいと思います」
ドーム引き寄せた主砲の一振り 
 今大会“赤い旋風”で初出場ながら4強入りを果たした蠍と、強力2枚看板擁する優勝候補筆頭の佐川急便千代田の顔合わせとなったこの試合。蠍・四ノ宮、佐川千代田・市川、両投手による息詰まる投手戦の結末は、“たった一球”が明暗を分ける形となった。
 初めにチャンスをつかんだのは佐川急便千代田。2回裏、2本のヒットと盗塁で2死ながら2・3塁とし、ここでバッターは7番佐々木選手。しかしここは蠍・四ノ宮投手の力投の前にあえなく三振。先制のチャンスを逃した。四ノ宮投手はその後さらに3回には2死1・3塁、5回にも2死2・3塁とピンチを迎えるが、いずれの場面もクリーンアップを三振に切って取り、豪腕ぶりを発揮した。一方の佐川千代田・市川投手も中盤ランナーを背負う場面が見られるも後続をきっちり打ち取り、こちらも得点を許さない。両投手緊迫の投げ合いで0-0のまま試合は進み先取点の持つ意味が大きくなっていく中、6回裏ついに試合が動く。佐川千代田のこの回先頭は、先ほどの打席でチャンスに見逃し三振を喫した4番片岡選手。互いのプライドがぶつかり緊張が張り詰める中、初球ストレート、2球目外のスライダーでカウント1-1となり、そして投じた四ノ宮投手の3球目。ストレートが真ん中高めに入ったところを主砲は逃さなかった。フルスイングした打球は、あらかじめ深く守っていたレフトの頭上をさらに越え、これがランニングホームランとなり、佐川千代田に貴重な1点が転がり込んだ。そして迎えた7回表の蠍最後の攻撃。2者が倒れすでに2アウト。打席には期待の吉田選手が入るが、結果はピッチャーゴロで万事休す。最後まで1点をもぎ取ることはできなかった。
 終盤で飛び出した主砲の一発と今大会この試合を含めいまだ無失点の強力投手陣の活躍で、佐川千代田が初Vへ王手をかけた。
 
佐川急便千代田・片岡主将
6回に値千金の決勝本塁打を放つ大活躍。「ケガをしていまして久々に試合に出て少し足がもつれました。前の打席のチャンスで三振していたので何としても打ちたかったので余計にうれしいです。西武ドームでもホームランを打てるようがんばります」
佐川急便千代田市川投手
この日先発し蠍打線を粘り強い投球で見事に完封。「今日は低目を取ってもらえたので上手くそこを突いて投げました。ここまで0点に抑えていたので自分が投げた時それを崩したくなかったのでホッとしています。ドーム球場でも投げる機会があれば全力で行きたいと思います」
佐川急便千代田山本選手
「今日はチームの調子としては今ひとつでしたが、相手の攻撃を凌いで1-0で勝てたことが自信になります。無失点は特に意識していませんが、普段から無駄な点をやらない野球を心掛けている結果ではないでしょうか。これで西武ドームに行けるので、今から1ヶ月楽しみが出来ました」
吉田代表
「やれることは全部やりましたが、1点が取れませんでした。頑張って投げていた四ノ宮、出場させてやれなかったメンバーにも申し訳ない気持ちで一杯です。悔しいですが相手が強かったです。今回のアークで高校時代以来、1つの目標に向かってみんなで夢中になれました。みんなにありがとうと言いたいです」
・吉田監督
「今日は1点勝負のゲームだと思っていましたので、6回まできっちり抑えた四ノ宮を責めることはできません。(ホームランを打たれた)あの場面はタイムで一呼吸間をおいてやればよかった・・・・。私のミスです。それにしても佐川さんはやっぱり強かったです。穴がなかった。強いチームとここまで戦えて選手を誉めてやりたい。いい勉強になりました」
・四ノ宮投手
「悔しいです・・・・。簡単にカウントを取りにいってしまったところをやられました。結果は残念でしたが、大会を通して自分たちの力でここまでこれて、また一段と野球が楽しくなりました。高校時代、苦しい経験をともにした仲間たちと甲子園を目指した以上に真剣に取り組めて、本当に幸せな時間でした。打倒佐川を胸に来年頑張ります」