アークカップ速報(5月20日号)

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アークカップ速報 5月20日(日)号

準決勝
(第2試合)
TOOLS vs TNCスパークス

▼TNCスパークスは4回、初ヒットを足がかりにダブルスチールから相手ミスを誘い、貴重な先取点をもぎ取る (囲みは、決勝のタイムリーを放つ永森選手)
▲6回2死1・3塁の好機に、佐藤選手が2点タイムリー3ベース(左上) 2死走者なしからの怒涛の攻撃で一挙3点を奪った(左中) 力投を見せた井上投手(左下)

○TNCスパークス・永森監督
投手不在の苦しい戦いを強いられた今大会だったが、類まれなるゲーム運びの巧さで、2季連続のドーム進出という快挙を果たし、「こういう凌いで凌いでワンチャンスをモノにする野球は、全員が慣れて染みついてはいるんですが、さすがに疲れましたね(笑) TOOLSさんはバッティングがよかったし、うちは野手がピッチャーをやっているので、最後まで冷や冷やでした(笑) いつも選手には、『勝負どころで乗り遅れるな!』と言っています。今日もランナーが出たときには、つないでつないでたたみかけるうちらしい攻撃ができましたね。決勝の舞台でも、勝負にこだわって戦っていきます」

○TNCスパークス・井上投手
本職はサードだが、今大会はピッチャーとして大車輪の活躍。この日も先発投手として6イニングを投げきり、「捕らえられると簡単に持っていかれるので、高めだけには気をつけて投げました。ランナーは出しましたが、うちはバックが堅いので、そういった意味では安心して投げられました。味方が点を取るまでは0で抑えたいと思っていたので、先取点は大きかったですね。ただ、点を取ってくれた後、力が入ってしまってすぐ失点してしまったので、そこは反省ですね。TNCスパークスとしてまだ優勝の経験がないので、東京ドームでは全員野球で楽しみつつ、ぜひ優勝を果たしたいですね」

○TNCスパークス・浅場選手
0-0で迎えた4回、チーム初の安打を放つとともに、その後先制のホームを踏み、チームを勢いづけた。「あの場面は追い込まれていたので、センターから右方向の意識で打ちました。うちは野手ピッチャーなので、常に先手先手でいかないといけませんので、大きな先制点になりましたね。(ダブルスチールについては)2回に相手がチャンスを潰したこともあり、こちらから仕掛けてゲームを動かしたかった。サインのタイミングもピッタリでしたし、相手のミスも誘えてうまくいきましたね。前回のドームで自分は活躍できなかったので、今回のドームではチームに貢献したいですね」

準決勝・第2試合
5月20日(日) 第2試合 1 2 3 4 5 6 7
TNCスパークス (荒川区) 0 0 0 1 0 3 0 4
TOOLS (荒川区) 0 0 0 0 1 2 0 3

一気呵成の攻め 昨春の準優勝チーム・TOOLSと、昨夏の準優勝チーム・TNCスパークス。ともに昨年、あと一歩のところで逃したNo.1の座を射止めるために負けられない一戦となった直近の準V対決の大一番は、両者互いに譲らず、終盤までもつれこむ大熱戦となった。最初にチャンスをつかんだのはTOOLS。2回、この回先頭の5番大坪がセンターへ2塁打を放ち、無死2塁と大きなチャンスをつかむ。しかし次打者の初球、2塁ランナーの離塁が大きいと見たTNCのキャッチャー小椋が、セカンドへ矢のような送球でこれを刺し、一瞬にしてチャンスが潰える。一方、3回までTOOLS先発・後上の前にノーヒットに抑えられてきたTNC打線だったが、4回、持ち前の“巧さ”で均衡を破る。1死後、2番浅場がセカンド強襲打でこの試合初めてのランナーを出すと、続く3番佐藤の死球で1死1・2塁の場面を迎える。ここでTNCベンチが動く。次打者の2球目にダブルスチールを敢行。すると、これがキャッチャーからの3塁悪送球を誘い、待望の先取点をもぎ取った。先手を取られたTOOLSの反撃は5回。9番虎見(直)の2塁打と送りバント、死球で1死1・3塁とすると、迎えた3番岩田の4球目、カウント1-2からエンドランを敢行。岩田がきっちり叩きつけ3塁ランナーが生還し、1-1と試合を振り出しに戻した。しかし、同点に追いつかれたTNCは直後の6回、一気呵成の攻撃でたたみかける。この回からマウンドに上がったTOOLS2番手・虎見(拓)の前に下位打線が打ち取られ2死となるも、続く1番小椋がエラーで出塁。パスボールで2塁に進むと、2番浅場もエラーで出塁し、2死ながら1・3塁とする。このチャンスに、迎えた3番佐藤が右中間を深々と破るタイムリー3ベースを放ち、まず2点。さらに死球をはさんだ後、6番永森もレフト前に弾き返すタイムリーで、この回3点目。相手ミスを逃さぬ2死からの怒涛の攻撃で、4-1とTOOLSを突き放した。一方のTOOLSもその裏粘りを見せる。先頭の6番徳田がエンタイトル2ベースで出塁を果たすと、7番虎見(一)もレフト前ヒットで続き、無死1・3塁と大きなチャンスをつかむ。ここで8番大坂が放った打球は右中間へ。一瞬抜けようかという打球だったが、TNCのライト貞がこれをうまくランニングキャッチ。ヒットにはならなかったが犠牲フライで1点を返す。その後盗塁で再びスコアリングポジションにランナーを進めると、1番吉崎のタイムリーでもう1点を追加。この回2点を返し、4-3と1点差まで詰め寄る。そして迎えた最終回。先発・井上から佐藤にピッチャーをスイッチし逃げ込みを図るTNCに対し、TOOLSも死球とヒットで2死1・3塁と、外野を抜ければサヨナラという場面を作る。がしかし、最後のバッターがあえなくサードゴロに倒れ試合終了。TNCが1点のリードを守りきり、史上初となる2季連続のドーム進出を果たした。TNCは安打数こそ3本だが残塁はたったの2と効率よく得点を重ねたのに対し、TOOLSは相手を大きく上回る10安打を放ちながらも残塁は10を数え、再三のチャンスを生かしきれなかった。

▼1点を追う最終回、TOOLSは2死ながら1・3塁と最後のチャンスをつかんだが・・・  ヘッドスライディングも及ばず、ドーム目前で力尽きた
▲2回、2塁走者が牽制で刺され、先制機を逃す(左上) 5回、岩田選手のエンドランで同点に(左中) 失点直後の6回、粘りの攻撃で1点差まで詰め寄る(左下)

TOOLS井川監督 TOOLS虎見(一)主将
2年連続の決勝進出を目前に敗退。わずか1点差で無念の涙をのみ、「6回はミスから自滅してしまいましたね。同点にした直後だっただけに痛かったです。その裏の攻撃でも、大坂の当たりが抜けていれば・・・ あれを取られて流れが行ってしまいましたね。打線はよく粘って頑張りましたが、あと一歩でした。今大会は、去年のドームでの借りを返すために一丸で戦ってきて、後半はサヨナラあり、リベンジありと、いいムードで戦ってきました。優勝する予定だったんですがね(笑) ドームが目の前だっただけに、本当に悔しいです。また次ですね」 1塁へのヘッドスライディングも及ばず、最後のバッターとなり、「最後の打席は気負ってしまいましたね。前の打席でヒットを打ってたんで、続けて2本は難しいですよ(笑) それにしても今日はエラーが多すぎました。エラーすれば負ける。鉄則ですね。TNCさんは1つのミスを確実に得点につなげてくる。穴をちゃんと突いてくる。ごまかしきれませんでした。軟式野球の土俵では相手が一枚上でしたね。それでも最後まで粘りは見せることができましたし、この春はそういう意味では勢いがありましたね。今度はTNCさんにリベンジですね」