arkcup 2003 autumn perfect preview

9月7日(日) 開幕

第9回アークカップ関東草野球選手権大会の見どころはここだ!


草野球・秋の祭典、第9回アークカップ関東草野球選手権大会は、

9月7日(日)いよいよ開幕する。

春は強力打線を擁し、豪快な野球で勝ち進んだGHOUL(三郷市)の初優勝で幕を閉じた。

そして迎える今秋、

果たして今大会はどんなチームが活躍し、どのような展開を見せるのだろうか?

優勝戦会場である西武ドームの土を踏む2チームはいったいどこのチームか?

アークカップの行方を占うとともに、

今大会活躍が予想される注目のチーム、選手をクローズアップしてみる。



第9回大会 ブロック別展望

第9回大会 シードチーム





 9回目を数えるアークカップ。春秋年2回開催となり3年目を迎えた今大会は、第6回大会以降のベスト4進出チームがすべて出場するなど過去の大会で活躍したチームが一同に集結する楽しみな大会となった。それに加えC☆FORTY(新治郡)、ブレーブス(渋谷区)、瀧野川信用金庫(北区)、レジェンド(柏市)、岬クラブ(岬町)、TOOLS(荒川区)の平成9年以降のサンスポ大会の優勝チームもすべて顔を揃えるなど、実力、ネームバリューともに十分なチームが揃い近年にない豪華な顔ぶれとなった。そういった状況の今大会は実力上位のチームはゆうに50チームを越える。出場チームの6分の1以上で、優勝候補グループの大集団を形成するといった格好だ。だが、決してどんぐりの背比べ的な混戦ではなくいずれもチームの力はハイレベル。それでいて、各チームに決定的な差がないだけに、大会の展望を占う作業がひときわ難しい大会といえるだろう。それだけに、大会の序盤から実力チーム同士が激しくぶつかる内容の濃い試合が多くなることだけは間違いない。


 そういった強豪チームがひしめき合う今大会だが、春の大会で毎試合2ケタ安打を放った強力打線を擁し、見事初優勝を果したGHOUL(三郷市)をやはり勢いを買って優勝候補の1番手に挙げたい。GHOULは4番でエースの中村投手を中心に大技、小技を絡め、高い得点力を誇る。俊足好打の核弾頭・鈴木選手をはじめ強打の2番安斉選手、チャンスに強い3番柳澤選手、攻守のキャプテン織笠主将らV戦士はどこからでも得点が取れる強力打線だ。また春にも見せたここ一番の場面で見せる集中打は驚異的な力がある。あとはエースの中村投手の投球次第で史上初の春秋連覇が見えてくるだろう。

 そのGHOULと春の大会で決勝戦を戦ったのがFs(立川市)。GHOULとは対照的な守りのチームカラーだが、ひたすら高い総合力を誇る。投手陣の大黒柱は、春の大会で準々決勝から登板し強豪相手に連続完封と一躍シンデレラボーイとなった川島投手が務める。また、経験豊富なベテラン結城投手や東京ドームでも登板し力を見せた左腕の江崎投手らも控えており万全な投手陣だ。打線も好打者佐々木選手、スラッガー片倉選手を中心に潜在能力が高い選手が揃う。川島投手が本調子なら、春の再現も十分可能だ。

 今春優勝候補の大本命に挙げられながら準決勝でFsにサヨナラ負けを喫したレジェンド(柏市)。その雪辱を期し、今大会こそ悲願のアークカップ初優勝をめざす。投手陣の中心はケガのエース春山投手に代わる大野、飯村らの若手が務める。大野投手は上背こそないものの切れの良い速球と変化球を投げ込む。これに速球が武器の飯村投手、左の井上投手とコマは豊富だ。また井上・阿保・飯村で組むクリーンアップの破壊力は相変わらず健在で、あとはエース春山投手の穴を埋める投手陣が優勝へのカギを握りそうだ。

 同じく春の4強ブルーウィンズ(船橋市)は、185cm右腕・山口投手が投手陣の大黒柱を務め、堅い守りで勝ち上がった。打線も注目の4番・元巨人軍の伏島捕手を中心にミートの上手い核弾頭三上選手、3番で外野の頭を軽く超えるパワーの持ち主山田選手ら力のある打者が並び、得点能力は高い。ブルーウィンズは安定感のある山口投手が失点の計算ができる投手だけに、自分達のペースで常に試合が運べるのが大きい。山口投手が余ほど崩れない限り、春に続きこの秋も十分上位進出が期待できる陣容だ。



 以上が春の4強だが今大会はこの4強に引けを取らなく、むしろ潜在能力では上回っていると思われるチームが多数出場している。その筆頭格が第5回大会の覇者瀧野川信用金庫(北区)。瀧野川信用金庫は過去のアークカップで何度も好投した右腕・平井投手が健在。得意の必殺シュートはコーナーに決まれば打ち崩すのは困難なほど威力十分。打線も強打の岩田選手を軸に、パンチ力のある4番佐藤選手、しぶとい打撃で好機を演出する主将桜井選手ら好打者が揃う。しかし軟式野球の世界で強豪としてその名が響き渡っている瀧野川信用金庫だが意外にも過去2回の大会では8強入り目前で姿を消している。今大会はまずは8強の壁を破り、そのまま優勝まで駆け上がりたい。アークカップ初出場ながら、社会人野球の名門NTT関東OBで結成されたNCB(船橋市)は、その高い潜在能力から初参加ながら優勝候補の一角に挙げたい。かつてはプロも注目した左腕小笠原、MAX130kmの直球と落差のあるフォークが武器の柳沢投手らを擁し、毎年高松宮全国大会に出場しているチーム力は今大会でもトップクラス。打線も一発長打が魅力の4番澤登選手、安打製造機の異名を取る3番出原選手を軸に総合力はかなりの水準にある。初めて参加するアークカップでのNCBの戦いぶりが今から楽しみだ。昨秋の覇者・佐川急便千葉(船橋市)は、優勝投手の塚本投手や4番で大砲の岩永選手ら主力が数名抜けやや戦力がダウンした感は否めない。しかし、直球に威力がある好投手宇田川投手や大砲和多田選手、攻守の核弾頭伊藤選手らを中心に徐々に昨年並みにチームが仕上がってきた。また転勤でチームを離れていた闘将土井監督が近々復帰予定で、この新チームをどう操るのか。その手腕も見ものだ。昨秋旋風を巻き起こし準優勝まで駆け上がった醍醐製作所グーフィーズ(練馬区)は、力投を見せたエースの須藤投手が健在。低目を丁寧に突く抜群のコントロールで勝ち上がった昨年の投球は見事だった。あれから1年、一段とたくましくなったエースに、4番打者として一発長打が魅力の飛田選手、走攻守に3拍子揃ったプレーでチームを牽引するトップバッターの比田選手らを中心に機動力をうまく駆使して、どんな試合でも確実に1点が取れる攻撃ができるのが醍醐製作所の強みだ。

 昨秋4強コンビ、ウィルス(世田谷区)Jet’s(世田谷区)の両チームとも高い総合力を誇る。Jet’sは昨年好投した小さな大エース坂本投手にベテラン笠原投手と2本柱が安定しているのが強み。打線も強打者田村選手を筆頭に長打力を秘める打者がズラリ揃う。ウィルスはマウンド経験豊富の右腕乙武・平野投手に左腕の道正投手がマウンドを務め、これを長打力のある上白戸、杉本らの打線が援護する。春の大会はまさかの4回戦負けを喫しただけにその雪辱を晴らしたいところだ。TOOLS(荒川区)は、本格派右腕・後上投手を切り札に、昨春のサンスポ大会の覇者。抜群の安定感を誇る後上投手は今大会注目の投手。強打の4番楠選手や虎見3兄弟らが活発に打ちまくる打線も高い能力を秘めている。とらひげ(新宿区)は、走攻守に3拍子揃った平松主将を中心にした攻撃型チーム。昨春の優勝以降ここ2大会ほどは、とらひげの力からすればやや不本意な成績が続いているだけに今大会に復活をかけたいところ。

 春の大会2年連続8強進出と安定した力を発揮しているエンドレス(浦安市)は、豪腕エース黒田投手が健在。安定感抜群の投球を見せる一方で、課題であった打線もここ数試合であたりが戻ってきており、まずは鬼門のベスト8の壁を越えたい。またアークカップに強豪岬クラブ(夷隅郡)が2年ぶりに帰ってくる。好投手小野寺投手を中心に、闘志を前面に出し相手を圧倒する岬クラブ気迫の野球は健在だ。また今大会注目の長距離砲、峯尾選手のバッティングも楽しみだ。右の春川、左の海老井と左右の両輪を擁し高い総合力で毎回V候補の一角に挙がる四ッ葉倶楽部(さいたま市)は今春の大会で初の8強入りを果した。今大会bP打者の呼び声が高いスラッガー斉藤選手を中心に破壊力のある打線が看板。また、最近メキメキと力をつけてきた佐川急便千代田(千代田区)は、木本・市川の2本柱と、春も活躍した強打者の長野選手を中心とする打線が噛み合い、力強いチームに仕上がった。今大会にも多く出場している佐川急便勢の中でも上位の力を誇る。大会史上初の単独専門学校として出場の東京YMCA(江東区)は、右サイドスローの山神、本格派の吉岡の両投手を中心に堅い守りにソツのない攻撃が得意。初の草野球大会でこの東京YMCAがどこまで勝ちあがれるかに注目が集まる。Red Cobra(川崎市)も小さな大投手武藤投手の存在が頼もしい。緩急を絶妙に使った投球術の上手さは大会でも屈指だ。打線もチャンスに粘り強く波に乗れば手のつけられないくらいつながりのある連打が魅力だ。佐藤、倉本、島本の上位打線の破壊力が抜群な初出場データリンクス株式会社(新宿区)も攻守にまとまっている。注目の豪腕日比投手のピッチングも今大会の楽しみの一つだ。強力打線を武器に上位進出の常連若穂アストロズ(松戸市)も相変わらず振りの鋭い打者が多く、攻守によく鍛えられ、打ち合いなら負けないスケールの大きなチームだ。好打者木内選手を核弾頭に魂の野球が信条の強豪習志野バブルス(習志野市)は、エースの田村投手の出来が上位進出のカギを握る。メンバー全員40歳以上ながら往年の名プレーヤーばかり集めた東葛クラブ(柏市)も今大会の注目のチームだ。一人一人の動きはとても40歳を超えているようには見えず、動きはどう見ても30代前半だ。輝かしい経歴の選手が多いゆえ野球を良く熟知しており今大会のダークホースになりうるチーム力を秘める。立正大学OBで結成された初出場のAsh(柏市)は、好投手中口投手を中心に田中、富樫、田所ら力のある選手が揃い一気に上位を狙える戦力だ。春の大会では完全試合を始め4試合連続完封など連日素晴らしい投球を見せてくれた杉山投手率いるBirds(土浦市)は、打線の奮起で杉山投手を盛り立てたいところ。関西の雄同志社大学軟式野球部OBチームとして昨年結成された東京どうなんや(千代田区)は、高速スライダーが武器の塩田投手、学生時代から本塁打王のタイトルも幾度となく獲得した山本選手と投打の軸がしっかりしており波に乗れば快進撃の予感が漂う。栃木の豪腕重松投手擁するかねふくロッキー(宇都宮市)は、毎回後一歩で敗れる4回戦の壁を今大会こそは突破したい。強豪ビコークラブ(練馬区)はサイドハンドのエース志賀投手が健。過去の大会ではやや不本意な結果に終わっただけに今大会にかける意気込みは強い。また昨年完全試合の好投を演じた春日投手が健在のCHOTTO CHIGAUZO(新宿区)は、豊富な野球経験を持つ選手が多くその試合巧者ぶりは不気味だ。好投手安西投手が中心の津嶋倶楽部(千葉市)、サンスポ大会優勝2回という輝かしい実績を誇る名門ブレーブス(渋谷区)は昨年も見せた終盤での逆転劇を始めとする粘りの攻撃が見事だ。第1回、2回大会の覇者和名ヶ谷フレンズ(松戸市)、4番広瀬選手を中心に破壊力のある打線が力強いマリモ−ズ(板橋区)、毎回粘り強い野球で大物食いが得意の埼玉ソックス(坂戸市)、好投手金光投手が健在のREVIVAL(日高市)、注目の蔦投手に機動力野球が得意の大井町の王者KYOEI(入間郡)、港区代表として常に都大会出場の常連東京トヨペット株式会社(港区)、強打の箕浦選手を軸に強力打線で近年の大会上位進出の常連となっているTetts(豊島区)、豪腕金子投手の高洲サタンズ(千葉市)、古豪の復活のC☆FORTY(新治郡)、大会屈指の左腕澤野投手率いるフォルツァ(多摩市)、昨年高校3年生だけで8強に進み今年は全員大学生となって登場のBEAMS(相模原市)、右サイドハンドの好投手五十嵐投手中心に総合力が高いOUT LAW(成田市)、初出場ながら力のある打者が多数控え元気の良い野球がモットーのRED HILL(練馬区)、つながりのある打線でたたみ掛ける攻撃が得意な吉岡クラブ(川口市)、三浦・佐藤の両投手に安定感のあるペガサス(富士見市)、春は軟式に今ひとつなじめず実力を出せずに不完全燃焼に終わったARUYO東海(川崎市)は強打の坂詰選手を中心に今大会こそ自分達の野球をしたいところ。ベテラン並木投手の力投で春ベスト16まで勝ち進んだTOPPAN(台東区)、前回優勝したGHOULを相手に7回2死までリードするなど個人能力が高い選手が集まったエトワール(春日部市)、上位・下位ムラなくチャンスを作れる試合巧者のNTTリース(港区)、石原投手率いる船橋マリダイス(船橋市)、昨秋ベスト16で粘りの野球が素晴らしいサンライズ加藤(桶川市)、豪腕兼頭投手を擁し悲願のブロック優勝を目指すWinners(所沢市)らは、いずれも高い潜在能力を併せ持つチームばかりで今大会の活躍が期待される。