arkcup 2012 spring perfect preview

3月18日(日) 開幕

第26回アークカップ関東草野球選手権大会の見どころはここだ!

第26回アークカップ関東草野球選手権大会は今月18日(日)にいよいよ開幕、

8日間にわたって熱戦が繰り広げられる。

今大会はとびぬけた存在のチームが見当たらず、

アークカップをめぐる争いはまさに群雄割拠の様相を呈する。

これまでの大会上位進出常連チームに加え、

各市町村大会の上位チームを軸に熱い名勝負が期待される。

有力チーム、注目選手を挙げながら、「2012春のアーク」を展望する。



 これまで昨年夏の王者が翌年の春を制したことがないなど、春の大会は過去の実績がさほどあてにならない展開が多く見られる。だが、昨年夏に初めてアークカップを制したCircus(川崎市)の戦いぶりを見る限り、一冬を越えてもやはり「本命」と推したくなる。昨夏の優勝投手でこれまでの実績から誰もが大会ナンバーワン投手と認める中須が今大会も大黒柱。失点が計算できる存在があるだけに、打線は1点取れば勝利に近づくなど、安定感のある理想的な試合運びが出来るのがCircusの最大の強みだ。また中須を支える打線も、圧倒的な勝負強さで夏のMVPを獲得した2番の善財、迫力十分のスラッガー4番の杉山、パンチ力のある5番・渡辺、出塁率の高い核弾頭の田邉など好打者がずらり並ぶ。今大会も好投手を擁するチームが多く、毎試合のように多くの得点は望めないかもしれないが、打線の奮起次第では今大会も優勝候補の筆頭格として注目を集めるだろう。

 昨夏覇者Circusの対抗馬に挙げられるのは注目投手を擁する4チームだ。

 昨年春ベスト8、夏ベスト4と大躍進を遂げた
Le・Mans(江東区)は小さな大エースと呼ばれた長濱が健在。長濱は速球でグイグイ押すピッチングではないが、夏を沸かせたいわゆる“動くボール”を抜群のコントロールでテンポ良く投げ込み、打者に的を絞らせない。本調子ならば相手打線は攻略に苦戦するのは間違いない。打線も上位コンビの斉藤・平原はしぶとい打撃で出塁率が高く、3番の灘部は今大会注目のスラッガー。昨年はチャンスで長打を連発し、長濱とともにLe・Mans躍進の立役者となった。この春も灘部のバットにかかる期待は大きいものがある。Le・Mansは現在メンバー全員が大学生。昨年の実績から見ても、今大会では史上初の「オール大学生V」への期待がおのずと高まってくる。

 夏に準々決勝でそのLe・Mans・長濱投手の前に1安打完封負けとまさかの完敗を喫したのが名門・Fs(立川市)。今大会はその雪辱を晴らすとともに虎視眈々と復権を目指す。これまで大会でもトップの投手力と攻撃力を兼ね備え、長く上位進出を続けてきた。エース・高桑を筆頭とする投手陣はいずれも球威、変化球とも抜群で大量失点を許さない。打線も個々のレベルが高く、どこからでも点が取れる重量打線が自慢だ。トップバッターは高校時代からその圧倒的な打撃で注目を浴び続ける強打者・都築。中軸の3番・佐藤、4番の入田も長打力、勝負強さともに申し分ない。さらに5番の原島は高校時代から強打で鳴らしてきた長距離砲など相手投手にとっては息が抜けない打者が並ぶ。Fsは過去春の優勝がまだない。これまでの実績からすると意外な感じがするが、今年こそは初となる春制覇を達成したいところだ。

 この春、アークカップ初出場ながらいきなり上位進出が期待されるのが総合力の高いミステリアス(川口市)。中でも注目なのが、制球力抜群の左腕エース・三戸。威力のある真っ直ぐをコーナーの厳しいコースにコントロールできる投球術で三戸は多くの三振を奪う。ペースを握られたら相手打者は打ち崩すのは容易ではないだろう。また、三戸は打っても4番でシャープなスイングを見せるなど、投打に絶対的な大黒柱として君臨する。さらに3番・佐藤、5番・鎌田ら強打者で脇を固めるクリーンアップの破壊力も十分。その他にもハイレベルな選手が多く揃っており、投打がうまくかみ合えば初出場Vも十分考えられる陣容だ。

 昨年悲願の初優勝を果たした球嵐(習志野市)は優勝投手に輝いたエース・澤出に今年も注目したい。武器である威力のある直球にときおり織り交ぜるスライダーで打者を打ち取る投球術は必見だ。投手転向3年目とは思えない落ち着きにマウンド度胸も満点で、V投手の風格が感じられる。また、長年チームを支えてきたべたランエース・七村の存在も大きく層の厚い投手陣を形成している。一方、打線は派手さこそないものの、小技や機動力を絡めた多彩な攻撃で2年連続Vを目指す。山口、曽根ら中軸が一応の中心となるが、相手に関わらず常に「自分たちの戦い」が展開できる点が球嵐の大きな強みだ。

 この他の上位進出予想チームを紹介しよう。昨夏快進撃を続けベスト4入りした大宮フェニックス(さいたま市)はバットがよく振れている打線と魂のエース・永野の投球が今大会も楽しみ。近年上位進出常連のDELTA(渋谷区)は大黒柱の吉川と注目の捕手・小椋ら分厚い選手層で今大会こそ悲願の初優勝を目指す。昨年春ベスト4、夏ベスト8と大活躍したボンバーズ(荒川区)は長打力満点のクリーンアップの破壊力はこの春も健在。同じく夏に初めて8強入りした全力ルパン(三鷹市)は怪腕・今村の投球が楽しみ。今村の最大の武器は190cmの長身から投げ下ろす低めへの快速球。ここ一番の場面で狙って三振を取れ、力でねじ伏せるピッチングが再び大会を沸かせそうだ。近年メキメキと力をつけてきたVICTORYS(川越市)は好打者・川田、鹿倉らの打線に複数の投手陣を擁し投打にバランスが良い。神奈川県から初出場の潟~ックコーポレーション(横浜市)は県内の大会で実績十分の楽しみな強豪チーム。アークカップの独特なムードに飲まれず入りさえよければ一気に上位進出する力も十分ある。昨年は春夏とも2回戦で敗退したジャンクベースボールクラブ(横浜市)もこの春戦力が充実。好左腕・磯崎の投球次第では台風の目となりそうだ。江戸川区の王者ピヨコ団(江戸川区)がアークカップ初登場。都大会3位の実績を引っ提げ1年目からいきなり上位を伺う。昨年ベスト4に入り快進撃を見せたTABOO(草加市)は爆発的な長打力を誇る越間と絶対的なエース永富が投打の軸となり今年もバランスの良い好チームに仕上がった。ZEALエレファンツ(港区)は主将・岡田、打率チームトップの生田を中心に攻めの野球で頂点を狙う。春に強い稲葉ベースボール倶楽部(朝霞市)は今年もベテラン左腕・斎藤が健在。打線の援護次第では再び上位に顔を出してきそうだ。夏にベスト8入りしたひばりB(西東京市)は爆発的な長打はないもののベテランエース・岩上を中心に守り勝つ野球が浸透するなどチーム力は高い。

 近年力をつけてきたCATS(墨田区)は主砲の小杉と野球留学帰りで久々にチームに加わる阿久津を中心にチームワークで必勝を期す。サントリーフーズ野球部(港区)は投手2枚看板の大畠、鎌田を中心に1点を守り抜く野球でこの春ベスト8以上を狙う体制が整った。佐藤、塚本のバッテリーを中心に守りの野球が信条のクレオデンジャーズ(渋谷区)も昨年ベスト16入りしておりこの春に2年連続の快進撃を目指す。MIX NUTS(目黒区)は130`右腕・井上をどこからでも集中打が飛び出す打線がうまく援護できれば上位に入れる力を持つ楽しみな新鋭チーム。“元気ハツラツ”が合言葉のジャビッツ(千代田区)は金屋、森田、木村の投手3枚看板で勝負。新戦力も加わり今年こそV戦線に加わりたい。鋭いシンカーが武器の右腕・水田の存在が楽しみな株式会社 東邦(千代田区)は攻撃も機動力を駆使し点の取り方がうまい試合巧者。昨年、専門学校の全国大会優勝チームの日本ウェルネススポーツ専門学校(板橋区)は187p右腕の平井を中心に若者らしく足と小技で接戦をものにする。また、これまでの大会で実績十分な強打が自慢の名門・ヤンキース(世田谷区)、投手力の武田ジェッツ(杉並区)、打線のつながりの良いYamada Company(足立区)、機動力野球で上位の常連JAいちかわ(市川市)、好投手・輝咲を擁しお祭り野球が今年も健在の神様(杉並区)、投打に総合力の高いジョルターヘッズ(新宿区)、虎見主将を中心に攻守にまとまるTOOLS(荒川区)、優勝経験のあるめいぼう2号店(船橋市)CHOTTO CHIGAUZO(新宿区)も優勝戦線に顔を出す力は十分だ。

 また、P-wish(川崎市)は左腕エース・吉田を軸にバランスのとれた好チーム。RKUパンパース(松戸市)は韋駄天・若林、エース・鹿野らフレッシュな大学生軍団。ロードスター(横浜市)は初出場ながら長打力十分の大砲・山形を軸とした重量打線が楽しみな存在。村田クラブ(川口市)は安定した3人の投手で打倒上位陣を狙うダークホース。BLACK JEANS(小平市)は斎藤、三木の両右腕が支える守りのチーム。Sweeps(草加市)は椿原、原田ら力のある選手が揃い投打がかみ合えば面白い存在だ。ザウルス(北区)はセンス抜群の野口、高橋を軸に創部40年の記念の年にアークカップでひと暴れを誓う。品川区から参加のWild Busters(品川区)は速球派の高田、俊足巧打の鮫島らを擁し個々の能力が高い。EAST CLUB(戸田市)は下田、川島、清原の社会人野球を経験した3人がチームを引っ張る。好投手・渡辺がいるキャロッツ(渋谷区)、剛腕・平岡を擁する大和魂(千葉市)も侮れないチームだ。

 さらに、全員野球でチーム名同様、大会に大波を巻き起こしたい
調布BIGWAVE(調布市)、機動力野球の申し子・松田を中心に初出場ながらドームを狙う武蔵野18balls(武蔵野市)、昭和59年度生まれのオールスターで結成した59’s(墨田区)、主将・遊佐を中心に初出場1勝を目指すBelieve(新座市)、高校通算30本塁打以上の小野の打撃が楽しみなSoul〜魂(足立区)、昨年入部したエース佐藤をベテラン野手が盛り立てる西京信用金庫(中野区)、大黒柱・山口を中心に若さ溢れる富士見クッパーズ(富士見市)、創部20周年の今年、初参加でまずは1勝を目指す三井不動産住宅リース株式会社(新宿区)、カリスマ永沼監督が率いる鹿手クラブ(さいたま市)、マナーの良さは大会でもナンバーワンの東日印刷(江東区)、チーム結成間もないが着実に力をつけてきているBlue Sox(江戸川区)、チーム名そのままに多くのタイムリーを放ちたいタイムリー(品川区)、久々に加入した大物サウスポー・東海の出欠次第では奇跡、涙の優勝の可能性も全く否定できないAokiya Club(川越市)らの戦いも楽しみだ。