arkcup 2011 spring perfect preview

3月27日(日) 開幕

第24回アークカップ関東草野球選手権大会の見どころはここだ!

第24回のアークカップ関東草野球選手権大会は、3月27日(日)に開幕、

8日間にわたって熱戦が繰り広げられる。

昨年夏の優勝チーム・Fs(立川市)が優勝争いをリードするなか、

名門のヤンキース(世田谷区)など優勝候補が今年も多く集結。

アークカップをめぐる争いは混沌としており、目が離せない展開となりそうだ。

果たしてどんなチームが活躍し、どんな選手が飛び出してくるのか。

優勝争いの行方と投打の注目選手を中心に、

2011年春のアークカップの見どころを徹底チェックする。



 昨年夏を制したFs(立川市)が、この春も優勝への最短距離にいる。昨年は春こそ準優勝に終わったものの夏を2年連続で制するなど、近年の安定感では群を抜いている。ベテラン山崎監督の下、常に投打にスキのないチームを作ってくるが、今年もその強さは健在だ。Fsの中心はエース・高桑を中心とした強力な投手陣。高桑は細身の体格からしなやかなフォームで投げる右腕。武器は緩急のついた落差の大きなカーブ。低目を丹念に突き打者に的を絞らせず、カーブ、スライダーで内野ゴロの山を築くのが投球パターンだ。優勝した昨年夏も抜群の制球力と安定感を見せた。また、昨年大躍進した右腕の小川は直球、変化球ともキレがあり安定感がある。たくましい精神力も魅力で、ランナーを背負ってから真価を発揮する場面が多く頼りがいのある投手だ。さらに、主に抑えとしての登板が多い奈良も速球に威力があり攻略することは容易ではない。以上、Fsには他チームなら間違いなくエース級の実力者が揃い、投手力では群を抜いている。突出している投手力に比べるとやや課題が多かった打線も、大会屈指の大砲・原島が昨年夏に本格的に加入して以後は絶好調だ。この原島を軸に強打者がズラリ並ぶ。相変わらず出塁率の高い恐怖の1番・都築や3番の好打者の佐藤、勝負強く頼りになる4番の入田などが今年も強力打線を形成している。順当ならもっとも優勝に近い存在であるのは間違いない。

 Fsの戦力が充実しているのは誰もが認めるところだが、ひと冬越して行われる今大会。「打倒・Fs」をもくろむ対抗勢力のなかにも魅力的なチームは多い。対抗馬としてまず名前が挙がるのは、やはり昨年夏に準優勝を経験したBig☆B(流山市)。夏に準優勝したチームはこの春さらにレベルアップ。攻守のまとまり、チームとしての完成度が非常に高い。またチームワークもよく、接戦で力を発揮できるのがBig☆Bの最大の強みと言えるだろう。粘りの基となっているのは守備力だ。各選手はピンチでも硬くならず堅実にプレーを続ける精神力がある。そんな安定した守りがエースの小林を盛り立てている。小林はカーブ、スライダーなどの多彩な変化球を緩急自在の投球で駆使して打ち取るのがパターンだ。準優勝した夏は強豪チームとの対戦が続いたが、安定した投球で強打者たちを翻弄するなど、近年の躍進にはめざましいものがある。チームのモットーは「劇場型エンターテイメントベースボール」 この春も再びエンターテイメントの精神で快進撃が期待される。

 昨年チームを結成したばかりだが、いきなり各大会で結果を出しているのがCircus(川崎市)。これまで大会を沸かせ続けたピエロや岬クラブのメンバーが主力を形成していることからある程度の活躍は予想されていたが、どの大会でも常に上位に入るところはさすがの一言だ。岡本、中須、石川で形成する投手陣はこれまでいずれも他チームでエースとして活躍してきたメンバーばかり。完投能力があり安定感のあるところは過去の大会で実証済みだ。打線も臼井、武田、杉山らの強打者を中心に切れ目がない。昨年夏は初出場でいきなりベスト8に入るなど確かな実力を証明。Big☆Bとともに「打倒・Fs」の有力候補として期待が高まる。

 以上、昨年の実績を考慮して「3強」としたが、本来ならこの3チームに負けず劣らずの実力を持つチームもまだまだ多数エントリーされている。現実的にはこの3チームを加えた15チームほどが優勝争いを繰り広げることが予想される混戦模様だ。

 まず、そのなかで注目は昨年夏に快進撃を見せ初の上位進出、ベスト4入りを果たしたVICTORYS(川越市)。エース小川を中心に高山、福室の3本柱で逃げ切る野球はこの春も健在。打線は夏に打率4割をマークした北住、強豪のCircus戦で4安打を放った川田、夏に2本塁打した鹿倉らがこの春も中心。戦力的に見て初優勝も夢ではない位置まで十分たどり着いていると言っていいだろう。昨年春にベスト4入りしたセブンスターズ(千葉市)も充実した陣容で頂点を狙う。梅田、田中、松井の3人の投手を中心に守りの野球の完成度が高い。あとは小野、真崎らの中軸がいかに投手陣を援護できるかがカギとなりそうだ。闘将・加藤監督率いるヤンキース(世田谷区)が久々に面白い。ヤンキースはこれまで他の様々な大会では何度も優勝を手にし、アークカップでも幾度となく優勝候補に挙げられるも、いまだに頂点を味わったことがない。しかし今大会は自慢の強力打線が復活し、悲願の初Vも夢ではない位置までやってきた。課題は中盤までのリードを守り切る投手陣の整備だけだ。また一昨年の春、初出場でいきなり準優勝に輝いたのが群馬県の雄・K.O.J.B(桐生市)。エースの久保田は気持ちで投げるタイプだが、大崩れしない安定した投球が持ち味。また、核弾頭の奥野(毅)を中心にした打線は好打者がズラリと並び、俊足の選手も多く機動力を駆使する攻撃力は高い得点能力を誇る。昨年春、悲願の初優勝を飾っためいぼう2号店(船橋市)は、絶対的なエース川村、ドームでの優勝戦でも見せた集中打が自慢。安定感抜群の優勝投手・川村は最速130`のストレートに加え、カーブと切れ味鋭いスライダーが持ち味だ。打線は、勝負強い1番の伊藤が出塁し、東京ドームでもそのフルスイングで強力なFs投手陣を打ち破った中軸の力強さは健在だ。吉岡クラブ(川口市)は、荒川、望月といった強力な速球派の2本柱を全面に押し立てて勝負する。ここのところ他大会での安定した戦いぶりは際立っており、そろそろアークカップでも優勝を狙いたいところ。「壁」を突破するだけの地力は十分備わっている。

 強打が自慢のYamada Company(足立区)は注目の左の大砲・造田が今年もチームの中心。得点パターンでもある造田の前にいかに走者を出せるかが今年もポイントになってくるだろう。また、造田だけではなく他の打者も好打者が揃っており、一度火がつくと止まらないのが特徴だ。蔵星(さいたま市)も毎試合ホームランが飛び出すなど、どこからでも長打が出るその打撃力は大会でも屈指だ。中でも3番田村、4番吉野、5番増田で組むクリーンアップの破壊力は群を抜く。一方、その破壊力のある打撃ばかりがクローズアップされがちだが、投手陣も安定感がある。先発の春山から吉田(慶)につなぐ継投がパターンで失点が少ない。夏にベスト8入りするなど上位進出の常連・ジョルターヘッズ(新宿区)は大橋、崎迫らベテラン投手に加え岩澤、池中ら投手陣が充実。打線も長打力のある亮木、平敷と足のある太田、赤坂らをうまく絡め得点するのがうまい。「常に考える野球」をモットーに悲願の優勝戦進出を目指す。機動力野球が自慢のJAいちかわ(市川市)はソツのない野球で少ない好機をきっちり得点に結びつける。また、安定感のある平澤・宮崎らで形成する投手陣で少ないリードを守り抜くのが必勝パターンだ。常に全力疾走で相手守備陣にプレッシャーをかけミスを誘う機動力野球が徹底されている。大会ナンバーワン投手の呼び声が高い右腕・荒川を擁するMILLIONS(北葛飾郡)も実力チームだ。荒川は快速球が自慢の力投型だが、最大の武器は真っ直ぐで空振りを取れることだ。あとは打線がいかに荒川を盛り立てられるか。少ないチャンスを確実に生かすなどソツのない攻撃が出来るかどうかがポイントになる。昨年春にベテラン左腕エース斉藤の好投などでベスト4入りした稲葉ベースボール倶楽部(朝霞市)は今年も斉藤の投球に注目が集まる。打線も4番の糸魚川らクリーンアップを中心に勝負強い。また、常に次の塁を狙う積極的な走塁とエンドランなど機動力野球が徹底されているのも稲葉ベースボール倶楽部の強みだ。

 ここまでの15チームとの差はほとんどない「第2グループ」にも、魅力的なチームがひしめく。近年成長著しいDELTA(渋谷区)はチーム力が一段とアップ。投打の中心・阿久津に肉体改造が成功した吉川らの活躍があれば上位に顔を出す可能性は高い。ZEALエレファンツ(港区)は打率4割を超える生田とホームランバッターの岡田ら攻撃的な野球で上位を目指す。夏に初出場ながらいきなりベスト16入りを果たしたジャビッツ(千代田区)は130`台の速球を誇る投手を4人も擁しており、再び旋風を巻き起こす予感が漂う。初出場ながら力のあるCATS(墨田区)は打てばホームランの主砲・蔦谷を中心にチームワークの良さでいきなりの上位進出を狙う。とん吉(北区)は4番の小林を中心とした打線と、この春充実している投手陣の踏ん張り次第では今大会も上位を狙える。大型右腕・七村を擁する球嵐(習志野市)は、打線がややパワー不足気味だが草野球の戦い方を熟知している佐藤監督の采配次第では一気に躍進する可能性を秘める。新ユニフォームで気分を一新して臨むGreen horn’s(世田谷区)はこの春も木村、片山の両右腕に主砲・出口を中心に投打にバランスが良い。創部50年目の伝統チームのひばりB(西東京市)は昨夏、初戦でFsに惜しくも敗れたが強豪と競り合った経験がその後のチーム力向上につながっている。タイプの違う5人の投手が看板のレッドスパイダー(蕨市)は強肩捕手の佐々木を要に守りの野球で勝負する。久々登場の杉並の名門マミーズ(杉並区)は1月から早くも始動し試合経験が豊富。また、お祭り野球で大会を沸かせてきた神様(品川区)は、何と言っても好投手・輝咲翔の存在が大きい。その投球には安定感があり打ち崩すのは困難。上位を打つ川原や峯、主砲で勝負強い飯野らで形成する攻撃陣とリズムがかみ合えば、上位進出の可能性も十分だ。茨城県から参加の侍(鉾田市)は、エース石崎の投球で勝負をかける。坪沼、小沼ら勝負強い打者で形成する打線がいかに石崎を援護出来るかがポイント。大宮東高校OBを中心に埼玉県内の強豪高校出身者で結成された野郎BASEBALL CLUB(さいたま市)は自慢の打線がかみ合えば面白い存在になりそう。UNITY(府中市)は都大会、高松宮杯出場と近年好成績を収めており、絶対的なエース高野の投球でアークでも上位を目指す。初出場のカンダ事務機ヘリオス(千葉市)も投手陣の活躍次第では上位を狙える戦力だ。また、TOOLS(荒川区)CHOTTO CHIGAUZO(新宿区)YOTSUBA(さいたま市)練馬アドベンチャーズ(練馬区)武田ジェッツ(杉並区)らの上位進出経験が豊富なチームの動向にも目が離せない。

 その他、スローガン「和」を掲げチーム一丸となって臨むジャピン(小平市)、好投手・永富の投球に注目のTABOO(草加市)、学生らしくハツラツとしたプレーが期待される注目の専門学校・日本ウェルネススポーツ専門学校(板橋区)、前回大会で久々にベスト16入りし古豪復活の兆しを見せた津島倶楽部(千葉市)、エース茂木の投球が鍵を握る野田クラブ(野田市)、球威のある森田、今岡の両投手の活躍が期待される角川フェニックス(千代田区)、その強打が期待される大砲・松本の打棒に大会中の注目が集まるRed Cobra(川崎市)、高校通算30本塁打の小野寺の打棒が楽しみなSoul〜魂(足立区)、 全員高校野球経験者で若さ溢れる10代のK.emperor(川崎市)、年々チーム力が向上しているNine tail fox(中央区)、個々の能力が高いクレオデンジャーズ(渋谷区)、俊足好打の原田が中心のCougars(川口市)、ベテランと若手が上手くかみ合っているオーディット(千代田区)、エース鶴岡を中心に「一生懸命のプレー」が持ち味のSHINEZ(練馬区)、全員大学生の若さ溢れるLe・Mans(江東区)、ラクロス日本代表やプロ野球団トレーナー経験者など個性豊なメンバーが集うジャンクベースボールクラブ(横浜市)、千葉親子の投手陣が注目の相模ランバーズ(相模原市)、ドトールコーヒーでアルバイトしていた学生を中心に結成されたCandies(千代田区)、アラフォー世代がおくるアクションコメディーベースボールを掲げ、第6回大会から連続出場中のAokiya Club(川越市)らの戦いぶりにも注目だ 。