arkcup 2010 summer perfect preview

7月18日(日) 開幕

第23回アークカップ関東草野球選手権大会の見どころはここだ!

第23回アークカップ関東草野球選手権大会は、7月18日(日)に開幕、

8日間にわたって熱戦が繰り広げられる。

いまや夏の風物詩となった「関東・夏の草野球の祭典」

今大会は出場チームの力が接近し、優勝の行方は例年以上に混沌としている。

「本命なき戦い」は序盤から目が離せない展開となりそうだ。

注目の初陣チーム、実力チームがどんな戦いを見せるか?

23回目を数える大会はどんな選手が活躍し、どんな展開を見せるのだろうか。

アークカップの行方を占うとともに、投打の注目選手をクローズアップしてみる。



 2010年夏のアークアップは、優勝候補が複数存在する混戦模様だ。頭一つ飛び抜けたチームが見当たらず、実力上位陣は10チームを超える。実力チームが優勝候補グループの大集団を形成すといった格好だ。だが、決して「どんぐりの背比べ」的な混戦ではなく、いずれもチームの力はハイレベル。それでいて、各チーム決定的な差がないだけに、大会の展望を占う作業がひときわ難しくなっている。そんな中で、大会本部の総合評価によって「A」ランクが付いているのは、めいぼう2号店(船橋市)、Fs(立川市)、セブンスターズ(千葉市)、CHOTTO CHIGAUZO(新宿区)、Circus(川崎市)、ひばりB(西東京市)、K.O.J.B(桐生市)、稲葉ベースボール倶楽部(朝霞市)、吉岡クラブ(川口市)、Big☆B(流山市)、ヤンキース(世田谷区)、とん吉(北区)の12チームにものぼる。いずれも実力十分の各チームだが、決して飛び抜けた地力の差を感じさせるというわけではない。まずは、あらゆる面から横一線と見られるこの上位グループ12チームの戦力から検討してみよう。

 この春、悲願の初優勝を飾っためいぼう2号店(船橋市)は、絶対的なエース、ドームでの優勝戦でも見せた集中打が自慢の強力打線、堅守、スキのない走塁と総合力が相変わらず高い。他チームの前に立ちはだかるのが安定感抜群の優勝投手・川村。最速130`のストレートに加え、カーブと切れ味鋭いスライダーが持ち味だ。スライダーは手元で大きく曲がり、相手打者にとっては攻略しづらい投手だ。また、学生時代から経験も豊富で、チームを結成当時から引っ張ってきた。東京ドームで見せたマウンド度胸は証明済みで、攻略は容易ではないだろう。打線は、勝負強い1番の伊藤が出塁し、東京ドームでもそのフルスイングで強力なFs投手陣を打ち破った中軸の力強さは今大会も健在だ。めいぼう2号店には春優勝の看板がどうしても付きまとうが、その実績におごることなく臨める選手が多いのも特徴。慢心することなく調整できれば、再び上位進出する可能性は高い。

 春は決勝で敗れ、史上初の夏春連覇を逃したFs(立川市)は、純粋な戦力だけで見れば大会ナンバーワン。他チームがうらやむ複数の好投手を擁しているのが最大の特徴だ。この春の軸は右腕の小川。準決勝まで安定したピッチングでチームを決勝へ導いた立役者。直球、変化球ともキレがあり安定感がある。たくましい精神力も魅力で、ランナーを背負ってから真価を発揮する場面が多く、頼りがいのある投手だ。また、昨年夏の優勝時にMVPを獲得した高桑は、この春は小川の急成長で出番こそ減少しているが、1・2回戦を連続完封するなど昨年からの好調はいまだキープしている。さらに、主に抑えとしての登板が多い奈良も速球に威力があり攻略は容易ではない。他チームなら間違いなくエース級の実力者が揃い、投手力では群を抜いている。例年突出している投手力に比べるとやや課題が多かった打線も、春には結果を出し、より一層自信を深めた。相変わらず出塁率の高い1番の都築や3番の好打者の佐藤、勝負強く頼りになる4番の入田などが強力打線を引っ張る。順当ならもっとも優勝に近い存在と言えるだろう。

 この春初の4強入りを果たしたセブンスターズ(千葉市)も強い。松井、田中、梅田の3本柱は互いに切磋琢磨し、相乗効果で著しい成長を続けている。打線も手堅く、犠打で走者を進め少ないチャンスでも確実にモノにするしたたかさがある。堅実な攻めと核となる3投手を中心とした堅守で、この夏は悲願の初優勝を狙う。巻き返しを図りたいのが、夏に強い名門のCHOTTO CHIGAUZO(新宿区)。春は2回戦でよもやの大敗を喫するなど振るわなかったが、右腕の阿部やベテランエースの春日が健在だけに底力はある。昨年解散した強豪・ピエロ、名門・岬クラブの元メンバーを中心に新たな戦力を加え上位を目指すのがCircus(川崎市)。黒坂、中須を軸とした投手陣は相変わらず高いレベルで安定している。また、善財、武田、伊藤らで形成する打線には爆発力があり、一度打ち出すと止まらない。期待された春は1回戦でまさかの敗退を喫しているだけに、今大会のかける想いは強い。面白いのが初出場のひばりB(西東京市)。創部50年の歴史を誇る伝統チームだが、しぶとい打撃で1番から9番までどこからでも得点を取れるのが強み。とりわけ中軸の破壊力は脅威で、一度火がついたら止まらない。勝ちにこだわる全員野球と抜群のチームワークで大会に旋風を巻き起こせるか。

 昨年の春準優勝のK.O.J.B(桐生市)は、今年の春は2回戦で優勝しためいぼう2号店に接戦の末に敗れたが実力は十分。昨年から活躍しているエースの久保田は一段と安定感が増し、打線も切り込み隊長の奥野(毅)はじめ多くの好打者が揃う。春ベスト4入りを果たした稲葉ベースボール倶楽部(朝霞市)はベテラン左腕・斉藤の投球にこの夏も注目が集まる。緩急を上手く使った投球で、打者を打ち取る術は大会でもトップクラス。打線の奮起次第では春にあと一歩届かなかった大舞台も夢ではない。吉岡クラブ(川口市)は絶対的なエース望月を擁する。望月は直球の威力が抜群で大会でも屈指の本格派。望月の潜在雄能力をもってすれば、剛球でねじ伏せ、一気に頂点まで駆け上がっても不思議ではない。この春初のベスト8入りしたBig☆B(流山市)は投打の中心・酒井、力をつけてきた小林の2枚看板でこの夏を乗り切る。春は優勝しためいぼう2号店の川村から5点を奪うなど中軸を中心に力のある打者が並ぶだけに、この夏も楽しみなチームだ。強打で鳴らすヤンキース(世田谷区)は、春は準々決勝でFsにまさかのコールド負けを喫したものの、やはりその存在感は侮れない。チームを長く牽引している土屋に続く投手の出来が上位進出の鍵を握る。夏に強いとん吉(北区)も上位候補。厚い選手層が上手くかみ合えば再び上位を狙える。

 以上、大会は一応このAランクのグループを中心に推移すると見られるが、その他のチームも十分にチャンスはある。

 ビコークラブ(さいたま市)は主砲の坂本の打撃を軸に投打が充実している。Yamada Company(足立区)も大砲・造田を中心に打線の破壊力は十分。ZEALエレファンツ(港区)は大型補強が機能し今季絶好好調。優勝も射程距離に見るなど戦力は充実している。春ベスト16のRED SOX(中野区)も投打にレベルが高く高城監督を中心に上位を目指す。昨夏強豪のピエロと互角に渡り合ったHeats(さいたま市)は台風の目となることが確実。Green horn’s(世田谷区)は投打の柱の片山に加え「小さな大投手の木村」が復活し強力な投手陣が帰ってきた。DELTA(渋谷区)は好守にバランスが取れている。大黒柱の吉川を中心に強打者が並ぶ。侍(鉾田市)は小沼、青松、安藤らで構成する主軸には破壊力がある。また、久々に鮮烈に復帰となる左の大砲・坪沼の打撃にも注目が集まる。このところ上位進出が続く球嵐(習志野市)は好投手・七村がこの夏もチームを引っ張る。鍵は七村を打線がどこまで盛り立てられるかがポイント。曽根軍(足立区)は春にCHOTTO CHIGAUZOを大差で破るなど打線の破壊力では大会でも上位。大会屈指の人気チーム・神様(杉並区)はエース輝咲、ムードメーカーの東海林がこの夏もチームを引っ張る。複数の好投手を擁するVICTORYS(川越市)は、打線の奮起いかんで上位進出の力は十分ある。ROJO・AGURA(北葛飾郡)はスラッガーの伊藤を中心に好機に畳み掛ける試合運びの巧さが光る。強打の蔵星(さいたま市)も上位候補。大型打者がズラリ揃った打線には迫力がある。ハングオーバーズ(台東区)は田村、辻、岡本、船津など豊富な投手陣を全面に出し、この夏に上位進出をかける。久々に復活した浅草魂(台東区)はメンバーが若返り新たな戦力で大会に臨む。これまで数多くの勝負強い戦いを繰り広げてきており侮れない存在だ。ロンチャーズ(千葉市)は左右のエース・黒岩、前大舛を中心に足のある杉本、田中、赤尾らでかき回しクリーンアップでかえす攻撃が確立しているのが強み。近年やや低迷している名門のTOOLS(荒川区)は、この夏こそ持ち前の勝負強さを発揮し優勝争いに食い込みたい。強豪の武田ジェッツ(杉並区)は見川、能渡、北川の投手陣を中心に粘り強い野球で上位を目指す。JAいちかわ 田中チーム(柏市)は強打の田村を中心に打線の力があり上位進出も可能な陣容だ。BACK WEST(山梨県)は130`台後半を投げる2枚看板を軸とする堅守で、初めてのアークカップに挑む。

 また、潜在能力が高い選手が多く揃う練馬アドベンチャーズ(練馬区)、近年ベテランに加え若手の台頭が目立ちチーム内に良い競争心が生まれてきたジョルターヘッズ(新宿区)、豪腕エース田中の投球に期待が集まる清望スターズ(習志野市)、好守のバランスの良い末廣ヌードルズ(足立区)、毎年その戦力から上位が期待されている野郎BASEBALL CLUB(さいたま市)、全員がバントを決め確実に走者を進めるスタイルが確立されている大正製薬(さいたま市)、俊足・安達の足に注目のスナイパー(大田区)、エース安西が復調してきた津島倶楽部(千葉市)、カーブと直球を巧みに投げ分ける吉岡を擁するそよ風(江戸川区)、4番・戸澤の一発に期待がかかるB’FOX(ふじみ野市)、エース高橋を中心に守り勝つ野球を目指すリトルアーミーズ(千葉市)、投手2枚看板で初出場ながら上位を狙うピストンサムライ(比企郡)、つなぐ打撃でエース長沼を盛り立てるPOLIA(中央区)、全員野球でベスト8を目指すBMナイツ(市川市)、高校通算30本塁打を放った小野の打撃が魅力のSoul〜魂(足立区)、守備の強化に成功し守りから頂点を狙う所沢ダイヤモンズ(所沢市)、毎回その強打が期待される大砲・松本が率いるRed Cobra(川崎市)、安定した投球を見せる竹花と二遊間を組む奥田、大河内の活躍が楽しみな船中スパイカーズ(世田谷区)、主戦・度会を中心とした守りの野球が信条の十字架(松戸市)、好捕手・上川の強肩が楽しみなコンプレッション(港区)、調子を崩していたエース浜田がこの夏に復帰する玉虫クラブ(渋谷区)、自慢の投手リレーで上位を狙うVagabonzy(港区)、井出、駒形を中心にチームの一体感が抜群のALL 23(千代田区)らも上位を見据える。

 さらに、ナックルボラー田中に注目のTaisei(千葉市)、今年から世代交代によって松坂世代がチームを引っ張る近鉄ジェッツ(品川区)、3度目の正直でこの夏こそ初戦突破を目指すヤイターズ(つくばみらい市)、中学野球部出身者を中心とした明るさが自慢の朝霞余裕バックレーズ(朝霞市)、平均年齢は高いがチームワークでカバーするDELUXE(町田市)、名門都立野球部出身者で構成された若さ溢れるモリタス(青梅市)、老いも若きも一体となって野球を楽しむ湘南ロケッツ(藤沢市)、アークカップで活躍して近年の悩みであるマネージャーの流出に歯止めをかけたいモンキース(港区)、試合後のビールが楽しみで草野球を楽しむ浜ッ子フランクス(横浜市)、代表者である菊池の草野球活動10周年を祝う壱憧會73 the $ummitx(竜ヶ崎市)、元甲子園球児の獲得に成功したものの、大会前に呆れて辞めると言われないように奮闘努力中のAokiya Club(川越市)の活躍にも期待が集まる。