チームの柱は、175aの右腕・小林。今大会は全試合に先発し、その落ち着いたマウンドさばきで、チームにとっては長年の悲願であった優勝戦進出の大きな原動力となった。小林の投球の特徴は、抜群の制球力。今大会は序盤から強豪チームとの対戦が続いたが、安定した投球で強打者たちを翻弄してきた。カーブ、スライダーなどの多彩な変化球を緩急自在の投球で駆使して打ち取るのがパターンだ。ピッチングのコツを知っており、どんな相手にも対応できる。西武ドームでもよほどのことがない限り先発が予想されるが、小林の投球がチームの鍵を握っていることは言うまでもない。エースの小林のほかには、河合、並木、落合ら勢いのある若手投手陣が控えている。いずれも完投能力があり面白い存在だ。
▲『投手・小林』の急成長が、チーム躍進の最大の原動力となった


 上位から下位まで打線に切れ目がなく、どこからでも得点できる。なかでもクリーンアップを打つ梅田、植手、真通らが攻撃の中心。強豪ヤンキースと対戦した準々決勝ではこの3人によるクリーンアップが2度にわたりヤンキースの投手陣に3連打を浴びせるなど6安打で8打点を稼いだ。1番の酒井は俊足で出塁率が高く、長打も打てる。2番・三浦も粘り強い打撃を見せ中軸につなげる。また、9番を打つ重川は準決勝で試合を決定づける満塁本塁打を放つなどパンチ力がある。Big☆Bの今大会を振り返ると、5回以降に逆転する試合が目立った。これはチームが劣勢に立たされても、最後まで諦めない強い精神力のあらわれだろう。西武ドームでも自慢の精神力が最後にモノを言うかもしれない。
▲クリーンアップ以外の打者も、いずれ劣らぬ個性派がズラリ
(左から三浦、中村、緑川)


 個々の力は十分だが、ずば抜けた選手がいるわけではなく、まさに全員が力を合わせて強豪チームにぶつかり、下馬評以上の活躍を見せて優勝戦まで上り詰めた。圧倒的な強さは感じさせないが、攻守のまとまり、チームとしての完成度は高い。チームワークもよく、接戦で力を発揮できるのが最大の強みと言えるだろう。粘りのもととなっているのは守備力だ。各選手はピンチでも硬くならず、堅実にプレーを続ける精神力がある。そんな安定した守りがエースの小林を盛り立てている。春も快進撃を続けベスト8に食い込むなど、近年の躍進は目覚ましいものがある。チームのモットーは「劇場型エンターテイメントベースボール」 このエンターテイメントの精神を胸に、ふだん着野球で西武ドームに乗り込む。
▲大躍進の今シーズンの最後をビックタイトル奪取で締めくくりたい