他チームがうらやむ複数の好投手を擁しているのが最大の特徴だ。この春の軸は右腕の小川。ここまで3回戦以降、準決勝まで安定したピッチングでチームを決勝へ導いた立役者。直球、変化球ともキレがあり安定感がある。たくましい精神力も魅力で、ランナーを背負って真価を発揮する場面が多く、頼りがいのある投手だ。また、昨年夏の優勝時にMVPを獲得した高桑は、この春は小川の急成長で出番こそ減少しているが、1・2回戦を連続完封するなど昨年からの好調はいまだキープしている。大舞台での強さは実証済みで、ドームでの先発も十分考えられる。さらに、抑えとしての登板が多い奈良も速球に威力があり攻略は容易ではない。他チームなら間違いなくエース級の実力者でドームでも登板が予想される。
▲今大会、ここまでいまだ無失点を続ける豪華投手陣
(左から小川、高桑、奈良)


 チーム打率が高く、どこからでも長打が飛び出す攻撃力は大会でも屈指のレベルにある。切れ目のない打線は初優勝を飾った昨年夏の大会でも実証済み。これまで長くチームの主軸を打ってきたベテラン達が控えに回るケースが増えるなど、誰をどこに置いても、そん色ない実力者が並ぶ打線だ。なかでもこの春から1番に座る都築に注目。勝負強くパンチ力のある打撃に選球眼の良さも併せ持ち、これまで長い大会史上でも最強の1番打者の呼び声が高いのも決して大げさな話ではない。打線の中心となるのは佐藤、入田、千葉のクリーンアップ。いずれも長打力があり、一発で相手を仕留める力がある。とくに3番の佐藤は自慢の広角打法を武器に今大会絶好調。打率は5割を超え、Fs屈指のスラッガーだ。
▲今年は打線のパワーアップにより、得点力が格段に上がった
(左から都築、佐藤、千葉)


 昨夏の優勝メンバーがレギュラーに多く残り、その実力に加え経験値は大会でもトップクラスであるのは間違いない。さらにこの春は都築、千葉、廣田ら力のある若手選手が多数加入し、「Fs黄金時代」の始まりを予感させる。打線はどの打順からでも得点を積み重ねることができ、下位打線からでも長打が飛び出すなど、破壊力十分の打力は相手投手にとっては脅威となるだろう。また、投手陣も今大会の主戦格の小川、昨年夏のMVP投手の高桑、抑えの切り札の奈良らエース級の投手陣が揃い磐石だ。あえて課題を挙げるとすれば、常に優勝候補に挙げられるプレッシャーをいかに払いのけるかくらいだろう。だが、チームには経験豊富なベテラン選手も多く残っており、慢心することなく夏春連覇の快挙を狙う。
▲史上初の偉業を成し遂げ、新たな盟主としての地位を築けるか