arkcup 2009 spring perfect preview

3月22日(日) 開幕

第20回記念アークカップ関東草野球選手権大会の見どころはここだ!

第20回記念のアークカップ関東草野球選手権大会は3月22日(日)に開幕、

8日間にわたって熱戦が繰り広げられる。

夏春連覇を狙って乗り込むCHOTTO CHIGAUZO(新宿区)や、

昨年の優勝チームのTNCスパークス(荒川区)、

強豪のピエロ(世田谷区)などの優勝候補が今年も多く集結。

アークカップをめぐる争いは混沌としており、目が離せない展開となりそうだ。

20回の節目を迎えた今大会。

果たしてどんなチームが活躍し、どんな選手が飛び出してくるのか。

優勝争いの行方と投打の注目選手を中心に、

2009年春のアークカップの見どころを徹底チェックする。



 昨年秋、延長10回までもつれ込んだ大熱戦を制し、悲願のアークカップ初優勝を決めたのはCHOTTO CHIGAUZO(新宿区)だった。CHIGAUZOは大会前こそ、さほど前評判は高くはなかったが1試合ごとに力をつけ、競り合いを次々ものにして頂点にたった。この直近の大会で残した実績からいって、春本番でも堂々の優勝候補ということになるだろう。昨秋も戦った7試合のデータを見る限り、攻撃面ではそれほど目立った数字はなく、むしろ長打力という点ではやや懸念される向きもある。しかし、状況に応じたチーム打撃、走者を先の塁に進める作戦のバリエーションなど、組織プレーの質が実に高い。しぶとい1・2番コンビ宮崎・清水がポイントゲッターとなり、力のある中軸米山らでかえす基本に忠実な野球で今大会も勝負する。そして、何より大きいのが昨年彗星のごとく現れた右腕・阿部の存在。CHIGAUZOといえばこれまで看板左腕エース・春日の投球頼みの試合が大きかったが、阿部の登場により春日の負担が軽減。投手層の厚みが一気に増し、毎試合失点が計算できるため安定した戦いぶりを可能にしている。これまでの大会で秋・春連覇を成し遂げたチームはまだない。CHIGAUZOは強力投手陣を擁しており、歴史に挑戦する資格は十分ありそうだ。

 「昨秋のチャンピオン」になったCHIGAUZOが受けて立つ立場となるのは避けられないが、決して群を抜くわけではない。これから挙げる10チームは横一線に近く、優勝争いは近年にないほどの混戦模様だ。

 まず、昨年の優勝チーム・TNCスパークス(荒川区)は昨秋、まさかの4回戦敗退でベスト8入りを逃した。しかし多くのスタープレーヤーをかかえ、攻守にバランスの取れた野球はこの春も高い総合力を誇る。チーム打率の高い打線は上位から下位まで3割打者がズラリ。本塁打を量産する主砲の貞をはじめ、佐藤、永森らが活発に打ちまくる。投手陣も昨年大車輪の活躍を見せたベテラン右腕の竹野や大会屈指の左腕・福田、ご存知「野手ピー」として優勝投手にも輝いたことがある井上ら完投能力のある好投手が多数揃う。ベテラン選手が多い中、チーム力はいまだ上昇を続けており、前人未到の春3連覇の偉業達成も大いに可能だ。

 そのTNCスパークスのライバル・ピエロ(世田谷区)は、注目のスラッガー・伊藤を中心に毎試合のように本塁打を放つ強力打線が看板だ。出塁率の高い1番・武田から始まり、長打も自慢の2番・浅海、勝負強い4番・廣島らお馴染みの強打者は今大会も健在。投手陣は快速球が自慢の右腕・中須という絶対的な柱がいる。チームを率いる平野監督も今大会にかける気合も十分。昨年は春秋ともに不本意な成績に終わっただけに、名門の完全復活を今大会で遂げたい。

 投打の大黒柱・土屋を擁するヤンキース(世田谷区)は昨年、春は8強、秋は4強に進出。秋の準決勝ではCHIGAUZOと互角の延長サドンデスを繰り広げ、地力を証明した。とにもかくにも豪腕で大会を代表するスラッガーでもある土屋次第のチームだが、岡田、村上ら好打者を揃えた打線は破壊力十分。土屋が徹底的に警戒されることが予想される中、本番でどんな戦いを見せるのか今年も興味深い。昨秋準優勝の吉岡クラブ(川口市)には、この春も快進撃の再現が期待できる。何といっても切り札は注目の右腕エース・望月。昨年秋はほぼ一人で全試合を投げ抜き奪三振の山を築くなど完璧な投球を見せた。長身から繰り出す角度のある速球は威力十分で、外野に打ち返すことも容易ではない迫力だ。左右田、菊池、中野らの打線も好機にたたみかける底力を秘めている。さらに、毎年安定した実力を誇るFs(立川市)は今年も優勝戦線をにぎわしそう。小川、藤森らで形成する投手陣は今春も抜群の安定感を誇る。長年主力を打つ佐々木、片倉らの打線も強力で、潜在能力ではこれまで挙げた4チームに引けを取らない。波に乗れば悲願の初優勝も十分可能だ。昨年秋ベスト4のとん吉(北区)も戦力充実。秋にTNCスパークスを1安打完封した左腕・細谷を中心に守りが堅い。あとは長くチームの中心を担う中村らの打線の活躍がカギとなる。好投手・田牧を擁して昨年、関東草野球リーグ特別部優勝のGスルー(東松山市)は、攻守に高いレベルでのまとまりを感じさせる。打っても4番の田牧、核弾頭の坂本らで形成する打線は力強く、田牧をサポートする浅田、小林らの投手陣の成長も著しい。チームを率いる河瀬監督が充実した戦力のチームをどう引っ張るのかその手腕も見ものだ。このところ上位進出の常連となっているビコークラブ(さいたま市)もAランクだ。エース・坂本の力強い投球で打者を封じ込めるピッチングは圧巻。また、打っても堂々の主砲としてチームを引っ張るなど、まさに投打の大黒柱としてチームに君臨する。あとは田中、金沢、石井ら潜在能力の高い打者がどこまで坂本をフォロー出来るかに上位進出がかかっている。面白いのは長身エース・須田がチームを引っ張るROJO・AGURA(北葛飾郡)。須田はサイドから威力十分の直球に変化の鋭い高速スライダー、さらにカットボールを駆使して三振の山を築く。1試合平均1点取られるかどうかの防御率で、万全なら攻略は容易ではない。互いに勝ち進めば3回戦で当る優勝候補のピエロ戦を突破すれば一気に上位進出も見えてくる。また、お祭り野球が信条の神様(品川区)もエース・輝咲を中心に総合力が高い。輝咲は速球に加えてカーブ、スライダーの切れ味も十分で球種が多彩。また冷静な投球で試合を作れるのも大きな魅力だ。打線は俊足巧打の1番・川原や、長打も打てる2番の岑を軸に能力の高い選手がそろう。昨年もベスト8まで進出しており総合力は出場チームのなかでもトップクラスのものがある。

 これら上位陣を追う「第2グループ」の中で真っ先に名前が挙がるのが名門・岬クラブ(いすみ市)。毎回勝負強い野球で上位に顔を出す。善財主将が気迫を前面に出しチームを引っ張るなど、独特なチームカラーは相手を飲み込む凄まじさがある。評価は限りなくAランクに近いと言っていい。一昨年秋に初出場でベスト4に入って以降、粘り強い野球で大会を沸かせているのがGreen horn's(世田谷区)。投手に片山、伊藤の2本柱を軸に据え、打線は4番・出口を中心に切れ目がない。ジョルターヘッズ(新宿区)も投手4本柱に強打者・平敷の打棒が振るえば、上位進出の可能性は十分だ。サントリーフーズ(港区)は大畠、藤元を中心とした守りのチーム。あとは打線の援護次第だが、全員が同じ職場ということもありチームワークが抜群で侮れない存在だ。昨年船橋大会優勝のラリッパーズ(船橋市)は強打者・小野田が中心の打線は強力。何といってもチームのほとんどの選手が社会人野球を経験しており、その洗練された野球センスが大きな強みだ。群馬県から参加のK.O.J.B嵐(桐生市)も面白い。県内の各世代の実力派メンバーを集めた総合力は高く、初出場ながら台風の目になる予感が漂う。同じく初出場のNittai JAPAN(横浜市)も注目の好投手・石川を中心に若さ溢れるプレーで上位を伺う。杉並の名門・武田ジェッツ(杉並区)はエース・松尾が故障から復帰のめどが立ち、米2A出身の早川、元プロ戦士の北川の強力3本柱で勝負する。茨城の侍(鉾田市)はエース・本澤の安定したピッチングに強打を誇る小沼、青松、安藤のクリーンアップの存在が頼もしい。同じく茨城勢の土浦パワーズ(土浦市)は1番・小倉、2番・斉藤をはじめとした機動力野球が得意で得点能力が高い。エース・市村も安定感があり力のあるチームだ。

 その他、豪腕・菊池の投球が楽しみなVICTORYS(川越市)、昨年春に快進撃を続け見事準優勝に輝いたDELTA(渋谷区)、強打者・小関を中心に破壊力のある中軸が自慢の古豪・高洲サタンズ(千葉市)、攻守の大黒柱・岸田を中心かき回す野球が得意のジャピン(小平市)、実力派の好投手・田中、田村、松井の3人を中心に守りきる野球が信条のセブンスターズ(千葉市)、エース・高松の投球が楽しみなジェニオン(つくば市)、2度の優勝を誇る名門・とらひげ(新宿区)は大会を何度も沸かせたベテランエース・白崎が今年も健在。稲葉ベースボール倶楽部(朝霞市)は緩急の出し入れがうまい左腕エース・斉藤に大きな期待がかかる。速球派右腕・正司を擁するブルーサンダース(戸田市)はメンバーが一新し心機一転上位を狙う。大会でもお馴染みのベテラン右腕・黒田を軸に悲願の初優勝を目指すエンドレス(浦安市)、どこからでも一発が飛び出す長打力が自慢の蔵星(台東区)、山田代表を中心に投打にまとまるYamada Company(足立区)頭脳派左腕・川村の好投で昨年秋ベスト8入りを果たしためいぼう2号店(船橋市)、近年チーム力が向上し上位争いを繰り広げるTEAM ByBLOS(戸田市)、投打の中心・酒井が楽しみなBig☆B(流山市)、準優勝経験のある強豪・TOOLS(荒川区)、エース井料を軸に守り勝つ野球を目指すJet's(世田谷区)、積極的な走塁が得意なDandelions(中野区)、曽根監督の采配で上位を目指す曽根軍(足立区)、エース七村にすべてをかける球嵐(習志野市)らも上位を伺う。

 さらに大砲・松本のホームラン攻勢が期待されるRed Cobra(川崎市)、130`のストレートを投げるエース宮島の投球が楽しみなロゼオ(狭山市)、甲子園経験者の月木がチームを引っ張るBOOKER's(世田谷区)、チーム結成14年目に念願の初出場のダイスターズ(中央区)「最後まであきらめない全力野球」がチームに浸透した横浜デビルオーシャンズ(横浜市)、54歳のエース太田に安定感があるガルバテックス梶i市川市)、ベテランと若手の競争が激しい蒲西ゴールデンスターズ(大田区)、地域貢献を目標に日々精進を重ねる八千代リハビリテーション病院(八千代市)、酒豪が多く飲みすぎに注意して大会に挑むハングオーバーズ(台東区)、「Yes、We、Can!」を合言葉に連敗記録を脱出したいAokiya Club(川越市)らの戦いぶりにも注目したい。