長年チームを支え、大会でも屈指のサウスポーと呼ばれる春日に加え、この秋からは右腕の阿部が台頭し２枚看板となった。今大会は４回戦こそ看板エースの春日が先発したが、準々決勝以降は右腕・阿部がすべて投げ切るなど、両者とも完投能力は十分にある。その新鋭の阿部はマウンド上で見せる「気迫」が武器。175�aのスリムな体型から繰り出す直球は威力があり、気合で勢いに乗ったときには打者にとっては打ち返すことが難しい。スライダーを散りばめ、相手打者の内角をグイグイ攻める投球も爽快だ。お馴染みの左腕・春日はコーナーを丹念について打ち取る投球術の巧さは相変わらずだ。これまでの大会で数々の修羅場を凌いできた経験は大きな武器で、優勝戦でも力を発揮するのは間違いない。	▲お馴染みのだエース春日に加え、右腕・阿部の台頭が心強い
切れ目のない打線に仕上がってきた。昨年の大会で２度のサドンデスでいずれも決勝打を叩き出すなど、勝負強い打撃が魅力のご存知"Ｍｒ.サドンデス"宮崎が今大会は主に１番を打ち、２番にはしぶとい打撃で出塁率の高い清水が入り、山田、米山（貴）、阿部で組むクリーンアップは揃ってパンチ力がある。中でも４番に座る米山（貴）は大会でも屈指の左の長距離砲。188�aの長身で主砲としてのオーラも十分。準決勝のヤンキース戦では、２-２の同点で迎えた延長サドンデスで、好投手・土屋からファールで粘りに粘ったあとに値千金の決勝打を右中間に放ち、その存在感の高さを示した。また、５番を打つ投手の阿部は、準決勝で初回に先制点となる２点タイムリー２塁打を放つなど、打撃の方も絶好調だ。	▲思い切ったプレーが魅力の清水と成長著しい若手のホープ山田
初優勝を目指して臨んだ昨年の優勝戦は、ピエロ相手に延長サドンデスの熱戦の末に２-３と無念の逆転サヨナラ負け、準優勝に終わった。しかし、そのピエロにはこの春の３回戦で再び対戦し、今度は逆に主砲・米山（貴）の劇的な３ランホームランで逆転勝ちし、きっちりお返しをするなど、近年は常に優勝争いに絡む活躍を見せている。ベテラン選手が多いチーム構成だが成長は著しい。草野球の戦い方を熟知している名将・野上監督の下、さらなる精進を重ね、チームとしての完成度はこの秋も着実に上昇している。２年連続３回目の出場となる今回の優勝戦も、初Ｖが期待できるだけの地力は十分。例年、数字に表れない強さを秘めており、野上監督も３度目の正直に確かな手ごたえを感じている。	▲決勝での惜敗続きにピリオドを打ち、シルバーコレクター返上を期す