7月18日(日)  優勝戦 1 2 3 4 5 6 7
Ash (柏市) 0 0 0 0 0 1 0 1
GLARE'04 (足立区) 0 0 0 0 0 0 0 0


優勝戦実況


▲GLARE'04先発・大根原投手



▲Ash先発・石原投手
 1-0とAshわずか1点のリードで迎えた7回裏、GLARE'04最後の攻撃。ランナーを3塁に進め一打同点のチャンスを迎えるがすでに2死。あと一人でAshの優勝が決まるクライマックスを迎えた試合に劇的な結末が待っていた。9番仙北谷選手の打席の時、Ash白鳥捕手が3塁へ投げた牽制球が悪送球となりレフトへそれた。その瞬間場内は一瞬シーンと静まり返ったがAshのレフト細田選手が猛然とダッシュ、素早く捕球し矢のような返球を本塁へ返す。GLARE'04の代走折原選手が懸命に本塁を突くも寸前でタッチアウト。スリリングな幕切れでAshの大会初優勝が決まった。アウトと同時に3塁側からドッとAshナインがマウンドめがけて飛び出し、瞬く間に歓喜の輪ができた。苦しかったこの試合から開放された安堵感からか、その抱擁はいつまでも続いていた。

 7月18日、午前9時40分、両軍応援団、関係者、一般草野球ファンなど多くの観客が見守る中、優勝戦の火蓋は切られた。GLARE'04の先発はエース大根原、Ashは2枚看板の一人石原投手をこの日の先発に指名した。

 1回表Ashは、1死から2番富樫選手がレフト前に落ちるヒットで出塁。しかし続く3番野中、4番の白鳥選手が相次いで倒れ無得点に終わる。一方GLARE'04はその裏、先頭の井口選手が四球で出塁。いきなり先制のチャンスを迎えるかと思われたが、続く2番山崎選手がショートゴロ併殺打に倒れこれまた好機を生かせない。2回にも2つの四球で1、2塁とこの日緊張感からかややボールが上ずっているAsh先発石原投手を揺さぶるが、あと1本が出ずこの回も無得点。迎えた4回表、Ashはこの回先頭の3番野中選手がレフト線を破る2塁打で出塁し、無死2塁の絶好の先制機を作る。しかしこの場面もGLARE'04のエース大根原投手が続く4・5・6番の中軸を凡打に打ち取り得点を許さない。Ashはその裏からマウンドにエースの中口投手を投入。中口投手は威力抜群の直球と低目を丁寧に突く投球でGLARE'04打線を封じ込む。5回には四球から2死2塁のピンチを招くも、GLARE'04の代打仙北谷選手をショートライナーに打ち取るなど今大会を沸かせたその安定した投球を大舞台でも発揮する。

 5回を終了して0-0と双方無得点、この一歩も譲らない攻防はこのまま延長戦に突入かとも思われたが、試合は6回に突如動き出す。Ashはこの回先頭の2番富樫選手がサードの悪送球で出塁。続く3番野中選手が四球、4番白鳥選手がきっちり送り1死ながら2、3塁とこの試合最大の好機を迎える。続く5番南選手が敬遠で歩き1死満塁とチャンスを広げると、迎えた6番田村選手が初球のストレートをたたき左中間へ大きな犠飛を打ち上げ1点を先制。Ashが6回表にようやく均衡を破った。

▲緊迫の投手戦に両軍0行進が続く



▲4回、Ashは早くも中口投手をマウンドへ



▲6回表、田村選手の犠飛で待望の先制点


▲6回裏、埴谷選手が三振に倒れる



▲勝利の瞬間、グランドになだれ込むナイン
 1点を先制されたGLARE'04もその裏すかさず反撃する。1死後2番山崎選手が死球で出塁。続く3番丸木選手が放った打球は内野ゴロ、しかしこれが相手のエラーを誘い1死1、2塁と一打逆転のチャンスが訪れる。ここで迎えるのはGLARE'04が誇る強打の4番埴谷選手。この試合最大の見せ場が訪れる。チャンスで迎えたAshのエース中口投手とスラッガー埴谷選手の対決はファールで5球粘る緊迫としたものとなった。しかし最後は、中口投手の低めの直球がファールチップしそのままミットへ収まり三振。中口投手が投げ勝った。続く大根原選手もサードゴロに倒れ、GLARE'04はどうしても1点が奪えない。

 迎えた最終回の7回裏、GLARE'04は1死から7番及川選手がこの日チーム初安打となる2塁打で出塁。一打同点のチャンスを作る。この後3塁まで走者を進めるが、最後は本塁憤死という劇的な幕切れで試合終了。Ashが記念すべき第10回大会の王者に輝いた。試合後の閉会式でAsh田所監督にアークカップが贈られ、春季大会史上最多となった280チームの参加で始まった第10回記念大会の熱闘の幕が下ろされた。

 今回の優勝戦は、戦前の予想にたがわずAshの2枚看板、中口・石原投手とGLARE'04の大黒柱大根原投手がいずれも持ち味を十二分に発揮し好投を展開。また、それに呼応して両チームのナインも死力を尽くし、力と力が真正面からぶつかり合った近年の優勝戦の中でも稀に見る好ゲームとなった。


▲初優勝のAsh、歓喜の胴上げ